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教育関連ニュース

「魂を育てる教育」 ~知足(たるをしる)~

「論語」の中に「悪衣悪食を恥ずる者はともに議論するに足らず」ということばがあります。これは、衣食住に関しての贅沢は、すればするほどきりがないという事です。物が豊かになればなるほど、今日ではこの傾向に益々拍車がかかって来ています。今の子どもたちのまわりには物があふれすぎているといっても過言ではありません。

もともと子どもというのは衣食住に関して、質素でもそれが当たり前のようにしていれば、それに甘んじる柔軟性を持っています。大人の見栄や愛情から出たにしても、よけいな配慮からこの本質を妨害してしまう場合があります。いつでも何でも物を手に入れられるようにする事は、子どもの事を思ってやっているようで、実は子どもを不幸にしてしまう最大の要因となってしまうのです。もし欲しがる物をすぐに与えられて育った子どもを片田舎の素朴な宿に連れて行くと、部屋の清楚さをみじめさと取り違えて駄々をこねたり、新鮮な山菜の料理だけではご飯が食べられないと文句を言ったりします。

このように育った子どもたちが将来、欲のみによって行動が支配される大人になってしまう と考えるとぞっとします。釈尊の言葉に「知足」というものがあります。これは「たるをし る」と読み、「“足る”を知るもの常に富む」という事です。あれも欲しい、これも欲しい、 こうもしたいという欲望には限りがなく、その限りを知ることで、常に心が満足させられる という意味です。『質素、特に衣食住に関しての質素は結果として何物にもこだわらぬ自由な人間をつくりだす』ということを、まず親が自覚し、子供のしつけに反映させるべきではないでしょうか。

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