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「かわいい子には旅をさせよ」とよくいわれます。日常生活から離れ、親や兄弟との安定した生活からは経験できない苦労が、人間を一人前にするという意味です。お互い気心が知れた者同士が生活する安定した生活から、不安定な状態にわが子をわざと追い込むには、親しい家へ子どもの「泊まりっこ」をお勧めしています。

「他人の家」で生活するには、必ず我慢を強いられます。嫌いな食べ物も食べなければならないでしょうし、好きなテレビ番組も観られないかもしれません。生活すべての基本が違うわけですから、子どもにとっては不安だらけの状態です。しかしこの状況を自分で乗り切ることによって、子どもは我慢することを覚えるし、自分を客観的に見ることも出来るようになるのです。さらに他人との生活から、思いやりも生まれるでしょうし、他人を観察する能力も養われることでしょう。「他人のメシを食う」という体験を、親が心配する必要はないようです。好奇心旺盛な子どもにとっては、未知の体験を楽しむ絶好のチャンスになるものです。